初心者のための5分瞑想:呼吸を数えることから
初心者の5分瞑想は、じっと座って呼吸を1から10まで数え、また1に戻るだけで十分です。特別な座布団も、澄んだ心も、信仰もいりません。心が100回さまよって100回戻ってきたなら、正しくできています。
始める前に
- タイマーをセットして、時計を見なくてすむようにします。
- 椅子か座布に座り、背筋を伸ばしますがこわばらせず、手は脚に置きます。
- 視線を落とすか目を閉じます。 楽なほうで構いません。
5分の流れ
- 最初の1分は落ち着く時間。 体の重さと部屋の音にただ気づきます。変えるものはありません。
- 呼吸を見つける。 鼻先やお腹の上下で息を感じます。コントロールはしません。
- 数える。 吐く息で心の中で「ひとつ」、次に「ふたつ」と10まで数え、また1に戻ります。
- 数を忘れたら、心が離れたことに気づき、自分を責めずに1から始めます。
- 最後に。 数呼吸は数えずにいます。タイマーが鳴っても、もう一呼吸してから動きます。
よくある心配
「考えが止まりません」 誰にも止められません。止めることではなく、気づいて戻ることが練習です。
「足がしびれます」 姿勢を変えてください。5分は我慢くらべではなく、椅子でも十分です。
「眠くなります」 背筋を少し伸ばす、目を開ける、別の時間にするなど試してください。寝る前なら寝る前の瞑想が合うかもしれません。
「何も感じません」 よくあることです。変化は座っているときより日常の中で少しずつ現れるという人が多くいます。
続けるために
ときどきの30分より毎日の5分のほうが続きやすいものです。歯みがきの後など習慣につなげ、1日休んでも翌日また始めてください。
呼吸を数える方法の由来
呼吸に注意を向けることは、仏教の瞑想で最も古い方法の一つです。パーリ経典の『入出息念経』(アーナーパーナサティ・スッタ)は、静かな場所で足を組み、背筋を伸ばして座り、気づきながら息を吸って吐く様子を描いています。長い息は長いと、短い息は短いと知るのです。経典は続いて十六の段階に進みますが、出発点は今ここで行うことと同じです。
経典に数えるという指示はありません。呼吸を数える方法(数息観)は後に加わったもので、初心者が注意のそれに気づきやすいので多くの伝統で用いられています。必要なくなれば、いつ手放しても構いません。日本の禅の坐禅会でも、初心者がまず教わるのはこの数息観であることがよくあります。
研究が言っていること、言っていないこと
瞑想は多く研究されてきましたが、その研究には限界もあります。米国立補完統合衛生センター(NCCIH)は慎重に要約しています。瞑想とマインドフルネスは不安、抑うつ、不眠などに役立つ可能性があるというものです。注目すべきは「可能性」という言葉です。結果は人によって異なり、小規模な研究も多くあります。
副作用がないわけでもありません。NCCIHは6,000人を超える人を対象にした研究のレビューを紹介しており、約8%が瞑想による否定的な影響を報告しました。多かったのは不安と抑うつです。この割合は心理療法で報告される水準と同程度です。不快な経験があっても失敗ではありません。
スナヴァは医療サービスではなく、タイマーの健康効果を主張しません。精神的な病気、特にトラウマに関わるものがある方は、始める前に担当の方に相談してください。
5分の別の過ごし方
数えることが合わなければ、次を試してください。
- 呼吸に名前をつける。 吸うときに「吸う」、吐くときに「吐く」と心の中で言います。
- 聞く。 目を閉じ、聞こえてくる音に気づきます。呼吸を見ると不安になる人に向いています。
- 体をたどる。 足から頭へゆっくり注意を移します。体が緊張しているときによい方法です。
一つを1週間試してから判断しましょう。
1週間の計画
- 1日目: 呼吸を数えて3分。目標は座ることだけです。
- 2日目: 同じ時間にまた3分。
- 3日目: 5分。最初に数を見失った時に気づきます。
- 4日目: 数える代わりに聞いて5分。
- 5日目: 気に入ったほうで5分。
- 6日目: スナヴァの本堂や公園のベンチなど、別の場所で5分。
- 7日目: 5分座り、1分で来週の続け方を考えます。
うまくいっているか知るには
どれだけ落ち着いたかで判断しがちですが、あまり当てになりません。雑念の中で五十回呼吸に戻った日は、その技術を五十回練習した日です。特別な感覚を待つより、数週間かけて日常の小さな変化を見てみましょう。変化はわずかか、ないこともあり、保証はありません。十分試して合わなければ、やめても構いません。
姿勢
床に座る必要はありません。椅子なら足を床につけ、手を腿に置きます。座布に座るなら腰を膝より高くすると背筋が伸びやすくなります。座るのがつらければ寝ても構いませんが、眠りやすくなります。軽いかゆみは少し見守っても、鋭い痛みは姿勢を変える合図です。
長すぎるとき、短すぎるとき
5分が果てしなく感じる日は2分でやめても構いません。時計を見続ける5分より、きちんと注意を向けた2分のほうが意味があります。スナヴァのタイマーに3分があるのはそのためです。周りの人の心の中は見えません。静かに座っている人たちも、夕食のことを考えているかもしれません。
歩く瞑想も
じっと座るのが難しい日は、歩いても構いません。歩く修行は多くの仏教の伝統にあり、日本の禅では経行(きんひん)と呼ばれます。部屋の中や廊下の十歩ほどの道を決め、ゆっくり歩いて足の裏が触れて離れる感じに注意を向けます。端で止まって一呼吸してから向きを変えます。考えがそれたら足の裏に戻ります。スナヴァの境内で蓮池をゆっくり一周するのも似た試みです。本物の足の感覚はありませんが、動きと音に注意を向ける練習にはなります。
坐禅会との違い
日本で座る瞑想といえば、禅寺の坐禅を思い浮かべる人が多いでしょう。曹洞宗の只管打坐や臨済宗の公案など、宗派ごとの実践があり、多くは指導者のもとで学ぶものです。ここで紹介している呼吸を数える練習はその入り口の一つと考えてください。一人で5分座ることに慣れたら、初心者向けの坐禅会を探してみてください。姿勢や呼吸、警策の意味なども直接教わることができます。
感情が込み上げたとき
静かに座っていると、普段は押しのけている感情が浮かぶことがあります。悲しみやいら立ち、訳もなく涙が出ることもあります。たいていは少しすると過ぎますが、数回呼吸を整えてから目を開け、部屋の中の物を見回すと、今に戻りやすくなります。立って水を飲んだり少し歩いたりしても構いません。頻繁に起こる、あるいはつらいなら、瞑想を休んで信頼できる人や専門家に話してみてください。
続けるための小さなコツ
- すでにしていることにつなげる。 歯磨きのあとやコーヒーをいれたあとに座ります。
- 休む日を決めておく。 旅行の日は1分だけ、と決めておくと流れが途切れません。
- 記録は軽く。 カレンダーに丸を一つで十分です。
- 自分を責めない。 何日か抜けても、今日また座るだけです。
アプリや音楽を使ってもいいですか
音声の案内や穏やかな音楽があるほうが楽な人もいます。最初はいくらでも使って構いません。ただ、声が続いていると、自分で注意を戻す練習は減ります。慣れてきたら週に何日かはタイマーだけで座ってみてください。スナヴァのタイマーは音声案内なしで静かに流れます。騒がしい場所では耳栓を使っても構いません。完全に静かな場所を探して始めるのを先延ばしにすることのほうが、大きな妨げです。
一緒に座ると何が変わるか
夕方6時、端末の時刻になるとスナヴァの明かりが落ち、20分の座る時間が始まります。10分前にお知らせが出て、鐘とおりん、木魚の音で始まって終わり、言葉はありません。別の時間帯にいる人には、お寺はいつもどおりに見えます。途中から入っても先に出ても構いません。長く感じたら最初の5分だけ座って出てもよいのです。
オンラインで一緒に座る
一人で続けにくいとき、誰かがそばにいると助けになることがあります。スナヴァの本堂で座布に座り、瞑想を押すと3分、5分、10分のタイマーが始まります。周りに人が座っていても話しかけられることはなく、何をしているかも見えません。
毎晩、現地時間の夕方6時には20分間一緒に座る時間があります。最後までいても、一部だけでも構いません。
瞑想は医療や心理療法の代わりにはなりません。つらい気持ちが出てきたら中断し、専門家に相談してください。
出典
- Anapanasati Sutta: Mindfulness of Breathing (MN 118)、Access to Insight
- 8 Things to Know About Meditation and Mindfulness、米国立補完統合衛生センター
- Meditation and Mindfulness: Effectiveness and Safety、米国立補完統合衛生センター